桜煌月メディカルハーブ辞典

セントジョーンズワート
精神安定、抗菌、鎮痛、創傷治癒、止血、利尿などに。浸出油やチンキとして常備したいハーブの一つです。
 
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 英名 St.John's Wort 
 和名 西洋弟切草
 学名 Hypericum Perforatum
 使用部位 開花時の地上部
 成分 フェノール類ナフトジアンスロン酸(ヒペリシン、ソイドヒペリシン)、
フェノール類(ハイパフォリン)
フラボノイド配糖体、タンニン、精油(主にセスキテルペン類)
 効能 抗鬱、抗不安、抗菌、鎮痛、消炎、創傷治癒、止血、鎮静、利尿
 適用 内服●精神安定や抗鬱効果。胃痛や胃炎、肝臓の保護、下痢、不眠、緊張感、夜尿症、痛風、時差ボケに
外用● 創傷、坐骨神経痛、その他神経痛、リウマチ、火傷、日焼けなどの炎症に
 使用方法 浸出油、チンキ(25 or 45%アルコール)、ティー、軟膏
 AHPA 2d ※メディカルハーブ安全性ハンドブックより



ヒポクラテスがよく効く薬草を初めて紹介した時に、そこに含まれていた5つのハーブの一つでした。血のような斑点があるのが特徴です。
日本では鷹匠の兄が弟を切った時に飛散した血だという昔話があり、弟切草という名前が付いています。海外では、624日の聖ヨハネの日(夏至)に花を咲かせた全地上部の効果が高いことからSt Johns Wortと呼ばれるようになりました。
十字軍がセントジョーンズワートで刀傷や創傷を治癒し、止血をしたという記録が残っているのをはじめ、小麦胚芽油やオリーブオイル、ヒマワリ油に漬け込んだ浸出油は、何世紀も人の傷を癒し続けてきました。

エッセンシャルオイルを飲用する時にはこの浸出油に混ぜて飲むと、濃いエッセンシャルオイルで皮膚が強い刺激を受けるのを防いだり、刺激を受けたところを守ってくれます。浸出油は乾燥ハーブでも効果はかなり感じられますが、生花で作った浸出油は血のように赤く(ヒペリシンやハイパフォリン)、そちらの方が効果は高いです。この色はイエス=キリストの血と言われており、それゆえこのハーブは魔除けにも使われていたことがありました。




AHPA安全クラス分類 : 2d (MAO阻害薬を増強する、その他医薬品の効果低減)

セントジョーンズワート含有品を摂取することで薬物代謝酵素が誘導され、インジナビル(抗HIV薬)、SSRI、ジゴキシン(強心薬)、シクロスポリン(免疫抑制薬)、テオフィリン(気管支拡張薬)、ワルファリン(血液凝固防止薬)、経口避妊薬の効果が減少することが確認されており、2000510日その旨の注意喚起を厚生省が行っています。

また、光感作用があるとされていますので、使用後強い太陽光を浴びないようにしましょう



精神安定パッションフラワー2、セントジョーンズワート2、ジャーマンカモミール1
お休み前に
セントジョーンズワート2、ラベンダー1、ジャーマンカモミール1、バレリアン少量
月経前を穏やかに
レモンバーム2、レッドクローバー2セントジョーンズワート1、ラズベリーリーフ1



創傷:浸出油や軟膏を塗る
抗鬱:ティー(持続的な精神安定効果を得るには2〜3か月は毎日3回お茶を飲用し続けます)
神経痛:煎じ液を温湿布する。軟膏や浸出油を塗る



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